
「死のさだめ」ケイト・チャールズ
"Appointed to Die" by Kate Charles
東京創元社 創元推理文庫 本体960円 ISBN: 4488290035
新しくやってきた首席司祭は、俗物きわまりない小男だった。金のために伝統を踏みにじるような改革の数々。ロンドンの権力者には滑稽なほど媚を売りながら、地元の信者は軽んじる、その態度。副首席司祭たちは彼の行いに反発し、団結を強める。しかし、彼らの結束はいつしか崩れ始め、教会に悲劇が訪れる。交錯する人々の思いが丹念な筆致で描かれていく、シリーズ第3弾。
教会もののシリーズを引き継ぎました。「災いを秘めた酒」、「死の誘い」に続く、第3作です。
実際に訳したのは2年前なので、今回、ゲラを見直して、「うーむ、死ぬほどなおさなければ」と頭をかかえました。
あとがきを書く時になって、またもや「やばい!」という間違いを発見し、ぎりぎりにおなおしをして、編集さんと校閲さんを苦しませてしまいました。ごめんなさい。もうしません。たぶん。
妙なキャラクターがたくさん出てきて、わたしはアン・ラティマーというキャラクターを「ほとんど地のままだわー」と思いながらやっていましたが、編集さんには、「中村さんはギフトショップのカップルと、のんだくれのおばさんがお気に入りなんだと思っていました」と言われました。
たしかに、読み返すと愛を感じます。